労働基準法の基礎知識について解説
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■企画業務型裁量労働制(法第38条の4)


■企画業務型裁量労働制とは?

産業構造の変化や多様化する業務に対応するために、従来からの専門業務型裁量労働制に加えて、平成12年4月からホワイトカラー労働者などの企画立案的な業務に対しても裁量労働制が採用できるようになりました。

■企画業務型裁量労働制の要件

■対象事業所について
労使委員会
が設置された事業場であること。→必ずしも本社でなくてもかまいません。

(参考)
労使委員会とは?
労使委員会とは、賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的とする委員会をいいます。
なお、使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限ります。

■対象業務について
専門業務型裁量労働制のように具体的に定められておらず、次の要件をすべて満たす業務が対象になります。
事業の運営に関することについての企画・立案・調査・分析の業務であること
業務の遂行を労働者の裁量に委ねる業務であること
業務の遂行手段及び時間配分の決定等に関し、使用者が具体的な指示をしないこととする業務であること

■対象労働者について
対象業務を適切に遂行するための知識・経験等を有する労働者であること
よって、経験が不足している労働者や単純事務員には採用することはできません。

■企画業務型裁量労働制を採用するために必要な手続
企画業務型裁量労働制を採用する為には、労使委員会を設置し、次の事項について委員の5分の4以上の合意で決議し、その決議を労働基準監督署長に届出する必要があります。

労使委員会で決議する事項
対象業務の範囲
対象労働者の範囲
労働時間として算定される時間(みなし労働時間)
労働者の健康及び福祉を確保するための措置を決議で定めるところにより使用者が講ずること
労働者からの苦情処理に関する措置を決議で定めるところにより使用者が講ずること
裁量労働制の適用について労働者の同意を得なければならないこと
裁量労働制の適用について同意しなかった労働者に対して解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないこと
有効期間(3年以内が望ましい)

■定期報告
企画業務型裁量労働制を採用している使用者は定期的に「労働者の健康及び福祉を確保するための措置」の実施状況を労働基準監督署長に報告しなければなりません。
なお、報告については、決議が行われた日から6ヶ月以内に1回及びその後1年以内ごとに1回行うことになっています。(当分の間、、決議が行われた日から6ヶ月以内に1回報告することになっています。)

■労使委員会の設置要件

■目的
賃金、労働時間その他の当該事業場における労働条件に関する事項を調査審議し、事業主に対し当該事項について意見を述べることを目的としています。

■委員会の構成
使用者及び当該事業場の労働者を代表する者を構成員とするものに限ります。
構成については、使用者と労働者が半数ずつを占めることになります。
そして、使用者側の委員については、使用者によって指名されます。
また、労働者側の委員については、当該事業場の過半数労働組合又は労働者の過半数代表者に任期を定めて指名されていることが必要です。
なお、労働者側委員については、監督又は管理の地位にある者以外の者から指名しなければなりません。

■議事録の作成及び保存
委員会の議事について議事録を作成し、決議の有効期間中とその後3年間は保存しなければなりません。
また、事業場の労働者に対して周知することも必要です。

■その他
労働基準法施行規則の要件を満たしていること

■労使委員会の決議による労使協定の代替

労使委員会の委員の5分の4以上の合意による決議で、次の労使協定に代えることが可能です。
労使協定 決議の届出
1ヶ月単位の変形労働時間制 不要
フレックスタイム制 不要
1年単位の変形労働時間制 不要
1週間単位の非定型的変形労働時間制 不要
一斉休憩の適用除外 不要
36協定 必要
事業場外のみなし労働時間制 不要
裁量労働のみなし時間 不要
年次有給休暇の計画的付与 不要
年次有給休暇中の賃金 不要

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